前頁でエンジンのかかった状態で家電製品を使用する方法はわかりましたね。今回は、本題であるエンジンを切った状態で使用する方法を紹介します。 エンジン停止中は車載バッテリーからの電源は使用できません。厳密に言うと、キーをアクセサリに入れれば使用できますが、バッテリー上がりなどの原因になりますので、おすすめ出来ません。すると、先に説明した「シガーソケットからインバーターで電源を確保する」といった方法はここでは適用できませんので、別の方法を考えなければなりません。 ひとつは「小型の発電機を使う」という方法がありますが、これはかなり騒音が激しいですので、使用できる場所や時間帯などかなり制限されます。ですので、あまりスマートな方法とは言えません。 おすすめするのは「走行中に車載バッテリーとは別のバッテリーに充電しておく」という方法です。こちらは大型のサブバッテリーを積んだりすることも出来ますが、手軽さを重視するのなら、ポータブルバッテリーがおすすめです。
このポータブルバッテリーというのは、アウトドアなどにも持ち運べるハンディタイプのバッテリーのことで、ほとんどの場合、AC電源とDC電源のどちらからでも充電できます。ですので、旅に出る前に自宅で充電しておき、旅に出てからは走行中に充電することが出来ます。 製品によってはインバーターを内蔵しているものや、蛍光灯や車載バッテリーが上がってしまった時用のエンジンスターター機能がついているものもあります。
選び方としては、車内で使用したい家電製品の連続使用可能時間に重点を置けば良いと思います。また、インバーターを内蔵していないタイプの物はDC電源での利用となりますので、家電製品を使用するためには別途インバーターを準備しておく必要があります。 代表的な3つの製品について、僕なりに比較してみたいと思います。 ★インバーターを内蔵していないタイプ ★インバーターを内蔵しているタイプ 3.「セルスター ポータブル電源 PD-350」 の解説を見る
次の表は僕が実際にノートパソコン(最大出力50W)で使用したときに計測した連続使用時間の記録です。箱に記載されている内容がほぼ正確なことがわかります。
2時間もDVD再生ができれば映画の1本ぐらいは余裕を持って観れますし、インターネットだけで2時間半も使えればメールの送受信やWebサーフィンはもちろん、ブログやホームページの更新までできます。 あくまでカタログ値ですが、この表によれば消費電力6Wの液晶TVなら約9時間も使用できることになります。 ただし、この製品にはインバーターが内蔵されていませんので、出力端子はDC電源のみです。従って、家電製品を使用する際にはポータブル・バッテリーにDC/ACインバーターを接続して使用する必要があります。図にするとこうなります。 その場合、前頁で紹介したセルスター DC/ACインバーター HP310-12V でも使用できますが、使用時にファンが回り、無駄に電力を消費してしまうことになりますので、もうひとつ別の小型のインバーターを用意しておくと良いと思います。 僕が使用しているのはメルテック製のミニインバーターです。このインバーターは最大出力数が70Wと比較的小さ目のタイプのものですが、液晶テレビやノートパソコンを稼動させるぐらいなら問題ありません。むしろ無駄な浪費が少ない分、バッテリーの消耗が抑えられます。 【参考】出力端子の数
1の約3倍にあたる20Ahのバッテリーを搭載し、インバーターを内蔵した高機能タイプですので、より余裕を持って使用できると思います。AC電源から使用する場合は直流から交流への変換効率などによって単純には言えませんが、使用可能時間は1の表を約3倍を目安にしてもらえれば良いと思います。
この製品であれば別途インバーターを購入する必要はありませんが、バッテリー充電中は使用できませんので、念のためミニインバーターを持っておくと安心です。 【参考】出力端子の数
カタログに使用可能時間の例など、詳細が明記されていませんでしたので、販売店に問い合わせてみました。※ナチュラムさんありがとうございました。m(__)m この製品はインバーターを内蔵しているので出力端子はAC電源と、DC電源の2パターンあります。インバーターの変換効率の兼ね合いだと思いますが、どちらで使用するかによって使用可能時間も違ってくるようです。
【参考】出力端子の数
すでにDC/ACインバーターを持っていて、使用頻度があまり高くない場合は1の製品で充分だと思います。 しかし、長時間に渡ってTVやパソコンを使用する場合や、電気毛布など比較的消費電力の大きな製品を使用する場合には2、または3の製品をおすすめします。 2と3については出力端子で3がやや有利ですが、値段が少し高くなる分、イーブンと思います。予算と相談して選ぶのが良いでしょう。
次のページでは車内でノートパソコンを活用する方法をご紹介します。
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